理事会議事録

第6回日本美容外科医師会・第2回日本美容外科ボランティアの会理事会議事録

開催日時:平成13年1月11日(木)19:00〜21:30 場
所:六本木プリンスホテル会議室

出  席:  
日本美容外科医師会・日本美容外科ボランティアの会理事として岡部夕里先生(東京スキンクリニック)、高須克弥先生(高須クリニック)、ルネ・デュ・クロー先生(東京スキンクリニック)、根岸重浩先生(赤坂マリアクリニック)、真崎信行先生(共立美容外科)、マッキンストリ千枝子先生(高木クリニック)、日本美容外科ボランティアの会理事として山口明彦氏(株式会社アルマ)、健康被害対策委員長として菅谷良男先生(菅谷クリニック)、美容医療賠償責任保険制度導入提案者として浅見善康先生(アサミ美容外科)、北村義洋先生(北村クリニック)、事務担当として田口順一郎氏(日本美容外科医師会東京事務所)の計11名。

議  題:
1.  日本美容外科医師会ボランティアの会
 山口会計士より、今日現在245,000円の入金があった旨が報告された。また、設立以降新たに根岸先生、山口先生が理事に、田原先生、石井暁彦先生が監事に就任したため、役員異動の登録手続きを行ったこと、近く登録費用の出費が見込まれることが報告された。
 ボランティアの会事務局田口氏より11月より以降入会がないことが報告された。
 活動予定として、新入会員で、個人で海外医療援助のボランティア活動に関わっている深谷先生が医療機器寄付を募る記事を投稿され、2月末号ニュースに掲載予定であるので、医療機器の寄付先などを具体的に加筆するようお願いすることとなった。以前平田先生より提案のあった募金箱設置については、実現に積極的な者が出席者の間にいなかったため当面 保留となった。
 真崎先生よりボランティアの会の会員になることのメリットについて質問があり、岡部先生より日本美容外科医師会IP上に会員名簿が掲載されていることが説明された。対価がはっきりしていないと協力する医師会員が少ないとの指摘があり、次の試みとして、コンピューターで打ち出すことにより低コストで作成できる会員証を発行することになった。ボランティアの会事務局より会員証の発行があることを明示した会員募集広告をニュースに載せることになり、その上で、再度入会申込み書の発送を検討していく。
 会員集めの広告を日本美容外科学会誌や、NPO法人広告の無料掲載を唱っているパドのような情報誌に載せることも検討する。

2. 健康被害対策委員会報告
 田口氏より、医師法に触れる広告を載せているエステ・出版者に対し配達証明付き郵便で通 告文を送った旨の報告があった。菅谷先生より、反応の多くは「広告の内容を変えたいと思っていたので次回から直す」、「謙虚に受け止めている」といったように通 告に従うものであるが、「『…の解消』は治療ではないので、医師法には触れてたことはしていない」など、反論するエステも一部あるとの説明があった。
 何が医師法に触れるのかとの電話による問合せが多いので、今後は事務局が公式文書の送付により画一的に対応することとなった。この文書は菅谷先生が厚生省と協議しながら準備中であり、理事会にて原案が出席者に配付され、医療行為と見なすべき行為について出席者からコメントが出された。岡部先生より、連合広告に脱毛その他の行為が医療行為であるとの記載がされているとの報告があった。
 菅谷先生より、日本医学脱毛学会(若松理事長)や日本医学脱毛協会(川口理事長)など、他の団体と共同記者会見等でエステ被害対策において協力していきたいとの提案があり、全員一致で可決された。

3. 美容医療賠償保険制度導入案
 岡部先生より今回美容医療賠償保険制度導入を検討するに至った経緯の説明があった。こうした保険制度に対する会員の関心は以前より高く、吉澤前事務局長が中心となって導入しようとしたものの、支援してくれる専門業者を欠いたために頓挫したこと、今回は導入発案者の浅見先生がこの領域で日本で唯一実績を持つ会社(株式会社シスコン)の役員と知り合いであることから、同社の協力があるため実現の可能性大であることが説明された。この会社は、日本美容医療協会の美容医療賠償保険制度を10年前に立ち上げ、それ以降も同制度の管理を委託されている会社である。浅見先生より11月発案があってから、本理事会に先立って、昨年12月に理事に資料を送付し、シスコン代表者と面 談し、会員全員を対象に賛同するか否か、及び、出資金の目安についてアンケート調査を実施したことが報告された。本理事会では、シスコン関係者による口頭説明と質疑応答の上で、同社に有償にて導入準備を依頼するか否かを決定することが目的である。シスコン側からの参加者として、代表取締役の山中氏及び本件担当者の平川氏と巴氏の三氏が紹介された。
 次に、平川氏から保険制度導入の基本となる共済事業の概要、事業収支予想、損益分岐点などについて説明があった。続いて、昨年12月のアンケート調査の結果 の報告があり、アンケートの回答者35名中28名が賛同し、ラニングコストは回答した賛同者が参加しただけでも賄えるので、本計画は十分実施可能との結論が提示された。アンケートの回答率に関しては、アンケートが年末に行われたこともあり、無回答者に電話連絡するなどのフォローをしていないので、実際には賛同する人数はずっと多いであろうとの説明があった。
 浅見先生より「手術室の数で掛け金を決めるのではなく医師個人に掛ける方がよいのでは?」、高須先生より「分院のたくさんある大きな医療機関にとっては、多大な掛け金を定期的に払うより、事故があったとき賠償金を支払う方が経営上採算が合うので、手術室の数単位 で管理者が掛け金総額を支払う形態は望ましくない」、「給料から天引きする形で医師個人に掛けた方が、止めて行く医師の引き止めにもなる」、菅谷先生より「非常勤やバイトの医師が多い施設や、施設内の事故を全体的にカバーしたい場合は、施術室の数で掛け金が決められる方がよく、少なくともそうした選択肢も設けて欲しい」、根岸先生より「局麻で行う小手術中心のクリニックは死亡事故はまず無いので、死亡事故を外したコースも入れて欲しい」、マッキンストリ先生より「死亡や重度障害だけでなく、軽度の後遺症を補償するコースも入れて欲しい」、岡部先生より「手術室の数で掛け金を決めた方がよい場合と、医師個人で掛けられる方がよい場合とどちらもあり、両方の選択肢が必須と思われるので、施設管理者向けと勤務医向けのパッケージを用意するのはどうか?」など多数の意見が出された。シスコンの平川氏より「掛け金の設定法や保障内容の選択肢が増えると、海外における再保険が困難になる可能性があるが、次回理事会までいろいろな方向性を検討し、具体案を提案できるよう、事業開始の前段階くらいまで作業を進める」との回答があった。
 岡部先生より、本制度の実施を前提として株式会社シスコンに作業を進めるよう依頼し、前もって会長が交渉して同意した額50万円を着手金として日本美容外科医師会で立て替え払いするかどうかについて決をとった結果 、賛成多数で依頼することとなった。この費用は、保険制度が実現すれば出資金の中から支払われるので医師会に返金されることになるが、万一出資金が十分集まらず共済事業が立ち上がらなかった場合、手数料としてシスコンに支払うことになる。また、美容医療賠償保険制度委員会の委員長に浅見先生、事務長に北村先生が推薦され、全員一致で可決された。今後は同先生方がシスコンの担当者と協議しながら準備を進め、会長に経過報告を行う。
 浅見先生より、日本美容外科医師会会員は美容医療賠償保険制度に入ることができることを日本美容外科学会会員に案内することが提案され、制度が成立した時点で行うことになった。

4. 事務局より現状報告
 高須先生より、2000年末まで2000年度会費を振り込まない者は退会したものと見なすとの前回総会での決議に基づいて会員登録状況を整理した結果 、161名が既納会員、40名が退会、新体制開始後入会が75名との報告があった。  

5. 広報委員会関係
 岡部先生より、本年からの医師会ニュース作成について、編集長(広報委員長)が平田先生から水野先生に交替することが報告された。医師会ニュース2月号は事務局にて作成し、4月号から水野先生が編集を引き継ぐ。
 なお、平田先生は今後も新入会員紹介コラム担当として編集委員にとどまる。

6. 連合広告
 高須先生より、1月の連合広告に恵比須ガーデンクリニックの参加を認めた件について、医道審議会も含め、処分はすべて終わったものと理解して希望に応じたが、後から医道審議会の結論が出るのが秋以降になることがわかったとの説明があった。今後の方針について討議したところ、「医道審議会の結果 を待つ」、「美容医学110番のイメージに悪い」、「医道審議会の結果に異義を唱えれば結果 が出るのに長期かかる、医学倫理に反することをしていないので仲間としてサポートするという考え方もある」などの意見が出されたが、同クリニックの掲載を認めるべきでないとの意見が大多数で、当面 不掲載のまま保留とし、今後同様のことがあった場合不公平にならないように3月以降の理事会で具体的基準を改めて決めることとした。

7. 美容医学110番  岡部先生より、本医師会の会員でないAPクリニックで被害を受け、既に勝訴したというもと患者から、名古屋事務局に岡部先生宛で同クリニックに対するクレームを書いた大量 の郵便物が届いたことが報告された。医師会としては関与できない問題との結論になった。

8. 学術委員会  デュ・クロー先生より3月8日(木)に第6回勉強会・第3回日本医療ピーリング研究会を合同開催する予定であること、テーマが「インターネット」及び「ノンケミカルピーリング」であることが報告された。「ノンケミカルピーリング」のキースピーカーとして、これまで発表していない先生を優先するということで、発表希望者がいない場合は、ダーマブレージョンについてマッキンストリ先生が話すことになった。

9. 本年の予定  2ヵ月に1回、奇数月の第2木曜日に理事会もしくは総会を行う。3月・7月・11月の3回、勉強会を開催予定であるので、組み合わせて行う。第7回理事会は、3月8日(木)の勉強会の後行うこととなった。

10. その他  岡部先生より、委員長・事務長には理事を兼任してもらい、理事会に出席してもらいたいとの要望が出され、承認された。浅見先生、北村先生、菅谷先生、水野先生の4先生を7月の日本美容外科医師会総会で理事に推挙することとなった。  北村先生などより前事務局長の吉澤先生から現在の医師会幹部に対する非難ともとれる手紙が特定に人に送られたとの発言があった。

以上